回答編 2

基本性能編


画素数


1枚の画像を構成する点(ピクセル)の数。
通常、RGB(原色系の場合)の3色で1つの画素を構成する。補色系の場合はCYMの3色で1つの画素を構成する。
現行では、

 25万画素、27万画素、35万画素、41万画素、57万画素、81万画素、140万画素

等の画素数を持つものがある。

画素数とパソコン上で表現できる画像サイズの関係は以下の通りとなる。
35万画素 640 x 480
57万画素 800 x 600
81万画素 1024 x 768
140万画素 1280 x 1000

レンズ

光を電気信号に変換するCCDに像を結ぶためのもの。
一般的には複数のレンズを組み合わせて使用する。これは、レンズの厚みが中心と端で違うことに起因する。1枚の場合、プリズムのように赤い色と青い色の屈折率が違ってしまうため、像を結んだ状態では色がずれてしまう「色収差」という状態が発生する。これをなくすために、複数のレンズを組み合わせて最終的にすべての色が合うようにしているのである。

また、解像度を大きく左右する部分でもあるため、精度の高さが問題となる。
ただ、カタログスペックからは計り知れないのが痛いところではあるが・・・。

絞り

CCDに当たる光の量を調節する部分。
明るいところでは閉じ、暗いところでは開くという動作をしている。

シャッター

CCDに光を当てる時間を調節するもの。
シャッターにはメカニカルシャッターと電子シャッターの2種類がある。
メカニカルシャッターは、今までの銀塩カメラと同様で、普段はCCDに光を当てず、シャッターを切ったときだけ開いてCCDに光を当て、そのときに発生する電気信号をメモリに取り込んでいる。
それに対し、電子シャッターは通常光は当てたままで、シャッターを切った瞬間の電気信号をメモリに取り込むという動作をしている。これは、液晶モニタを持つものに多い。というのも、常に入ってくる光を電気信号に変換して液晶モニタに表示する必要があるからである。
デジカメの中には、両者を併用したものもある。これは、通常は電子シャッター的な動作をしながら、シャッターを切った瞬間にメカニカルシャッターの動作をするのである。(変な表現だが判っていただけるとは思う・・・)

CCD

光を電気信号に変換するためのもの。
単板系と複数系がある。一般的にデジカメの場合は単板系であるが、プロ用デジカメやデジタルビデオ等では3CCDとかのものもある。
単板系の場合、1つの画素(ピクセル)はRGB(赤、緑、青)の色で構成される。(原色系の場合) つまり、実際的には3倍の画素数をもっている事になる。RGBのそれぞれの画素にはフィルターがついており、これで色を分けて1つの画素を表現している。

メモリ

銀塩カメラのフィルムに相当する部分。
撮影した画像を記録するためのもので、一般的にはフラッシュメモリーと呼ばれる電源を切ってもデータが消えないタイプのものを使用している。

フィルムに撮影可能枚数があるように、メモリにも容量があり、これによって撮影可能コマ数が決定される。

メモリには、デジカメ本体に実装されて取り外しできないものと、交換可能なカードタイプのメモリの2種類がある。
前者はハード的に取り出すことが出来ないため、ケーブルを使用してパソコン本体にデータを取り込む必要がある。(シリアルを使用するものと、パラレルを使用するものの2種類がある。)
後者は、パソコン本体に対応するスロットがあれば、そのメモリカードを差し替えてデータを転送することが出来る。そう、シリアル等でわざわざ転送しなくてもよいのだ。このため、転送にかかる時間は無視しても良いくらいである。

メモリには現行 の3種類があり、それぞれ長所短所がある。
  長所 短所
PCMCIA ATAカード 一番流通しているため、価格が安い。
規格的にはしっかりしている。
カード自身が大きいため、小型のデジカメものには採用されにくい。
スマートメディア 薄くて小さいため、保管に便利。
1枚あたりの単価も安い。(容量は少ない)
大容量のものが無いので多数撮影するには枚数が必要。
少々壊れやすいというウワサも。
メモリサイズの違うものの間で互換性の問題がある。
PCMCIAとして使用するには別途アダプタが必要。
コンパクトフラッシュカード 切手サイズでそこそこの厚みがあり頑丈そう。
これを採用するメーカーも増えてきた。
少々割高になってしまう。
5V系と3.3V系の2種類があるので注意が必要。
PCMCIAとして使用するには別途アダプタが必要。

露出

撮影される画像の明るさを決定するもの。
絞りとシャッター速度により決定される要素である。

一定の明るさを得ようとした場合、絞りを絞るとシャッター速度を遅くしないといけなくなり、逆に絞りを開くとシャッター速度は速くしないといけない。これらは、マニュアルカメラの場合は自分で考えないとダメだったが、最近ではAE( Auto Exposure )と呼ばれる自動露出機能があるので気にしなくとも良い場合が多い。

また、AEの中にも、プログラムAEや絞り優先AE等の種類がある。
前者は一定のパターンをプログラム化して最適な露出を得ようとするもの。そのため、どのようなシャッタースピードになるか、どのような絞りになるかははっきりとはわかりにくい。
後者は、絞りを優先させてシャッタースピードで露出を決定しようとするもの。これは、絞りを意識した撮影(被写界深度を考慮したもの)等の場合に効果を発揮する。
一般的なAEはシャッタースピード優先で、絞りで露出を決定しようとするものがほとんどであり、動きのある撮影に適している。

撮影可能コマ数

デジカメの世界は電子的な画像の世界であり、これらは1枚2枚と数えられないものである。
そのため「枚数」ではなく「コマ数」と表現される。

撮影可能コマ数とは、そのメモリの中で撮影可能なコマ数を示すものであって、メモリ内蔵タイプのものはパソコンにデータを転送し(もちろん転送しなくてもよいが…)、その画像を消去するまでは新たに撮影することは出来ない。
それに対し、メモリカードタイプのものは、メモリカードを複数用意することによってそのような自体を避けることが出来る。が、往々にしてメモりカードはまだ価格が高いのでその辺の考慮は必要だが…。

画像記録方式

CCDからメモリへの画像の記録方式(取り込み方)には大別すると、 の2種類がある。

フィールド記録 (電子シャッターのみ)
一般的にCCDの画素は碁盤の目のごとく並んでいるので1行(横方向を行、縦方向を列とする)ずつ順番に読み出していくのが普通であるが、常に光がCCDに当たっている状況では読み出している最中に被写体が動いてしまうことなどがある。
こうなるとブレた画像になってしまうので、出来るだけ早く読み出すために行を1つおきに読み出して(例えば奇数行のみ等)そういった事態に対処している。
で、飛ばされた行(読み出されていない行)の分のデータは補間処理等をして補っているか、ないしは間引きされた全く処理されない状態で出力される。つまり、垂直方向に関して解像度は実質1/2になっているのだ。
中には奇数行フィールドと偶数行フィールドとして2回撮影を行い重ね合わせているデジカメもあるという。が、この方法は動きのあるものは非常に苦手である。
フルフレーム記録(メカニカルシャッターと電子シャッターの組み合わせ)
奇数フィールドと偶数フィールドを重ね合わせて1つの画像としたもの。
CCDに常に光が当たっている状況下であれば上のフィールド記録と同様だが、これにメカニカルシャッターを組み合わせることにより上記の不備を補うことが出来る。
つまり、被写体からの光をメカニカルシャッターでいったん遮って静止画とした上で、CCDに残った信号を偶数行、奇数行の2フィールド分読み出しているのだ。この方法だとメカニカルシャッター速度関係以上のブレは発生しない。

画像読み出し方式

CCDからのデータをメモリに記録する際、CCDの持つすべての画素を記録するものと、CCDの持つ画素の一部だけを読み出すものの2種類がある。
デジカメスペックの中で書いてあるのはCCDの持つ画素数で、カッコの中に書いてあるのが読み出し画素数である。

レンズの性能や焦点距離、CCDの性能等によっては、どうしても周辺部が歪んだり、暗くなったりしがちである。その影響を画像に反映させないために必要な部分ののみを取り出したりすることがある。そのような場合は「有効画素数」という言葉で表現されている。
それに対して、CCDの持つすべての情報を読み取る「全画素読み出し」というものがあるが、これは読んでの通り、すべての画素を読み出しているものである。

ビデオ用のCCDを採用しているデジカメなどでは、実質は68万画素のCCDを採用しているものがあるが、読み出し画素数は35万画素というものもある。
画像になるのは読み出した部分だけであるので、その辺を勘違いされないよう注意されたい。


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Last Edition 97/06/24 04:10