デジタルカメラといっても、カメラには変わりありません。レンズもあれば絞りもあります。
ここではカメラ的要素としてのスペックを見ていきます。

※　型番の太字は、それぞれのメーカーで日本国内での発表のあった、ないしは発売中の最新型です。

ポイント


レンズ

光情報の入口に当たる。これの精度が良くないと解像度が良くないなどの弊害が出る。しかしこればかりはカタログスペックからは推し量ることは出来ない。実画像の確認あるのみ。

35mm換算のmm数はレンズの種類を指す。50mmが標準とされている。これよりも数字が小さいものが「広角レンズ」、数字の大きいものが「望遠レンズ」と呼ばれる部類に入る。例えば、風景などを撮るには広角レンズが適している。が、デジタルカメラの場合はレンズ交換等が出来ないので、ある程度考慮しておいた方が良いだろう。
ちなみに最近では機種によってはコンバーターレンズ等が発売されていて、本体のレンズ部にかぶせる（あくまでも「かぶせる」であって交換ではない）ことによってレンズの特性を変えることが出来るようになっているようだ。
それから、実際の目で見た画角は約７０ｍｍのレンズに相当する。

Ｆ値はレンズの明るさを示す指標で、数字が小さいほど明るく良いレンズである。
f=??mmはレンズの焦点距離を示している。

撮影距離

遠い方は普通は無限遠になっているので比較の対象ではないが、近い方については各社それぞれスペックに違いがある。
いわゆる「接写」とか「マクロ撮影」とか言われる部類ではあるが、標準で数センチ単位まで近づくことが出来るものもある。撮る対象に近づく必要がある場合は要チェックの部分だ。
ただし、接写においてはファインダーとの視差が非常に大きな問題となり得るので、液晶モニタを持つデジカメでは安心だが、光学ファインダーしか持たない機種はそれなりの「あたり」をつかむまでいろいろと試してみる必要がある。

フォーカス

いわゆるピント合わせ。最近の銀塩カメラではフォーカスを意識する必要がほとんどないため、ふと忘れがちになる(^_^;)
フォーカスの種類には、

オートフォーカス（自動焦点調節）	自動的にフォーカスを調節してくれるもの
パンフォーカス（固定焦点）	レンズ付きフィルム（＝使い捨てカメラ）のようなのもの
マニュアルフォーカス（手動焦点調節）	フォーカスを距離に合わせて近／中／遠のように手動で切り替えるもの

もある。また、もある。
オートに超したことはないが、オートの中にもフォーカスの取り方でいろいろと違いがあり、どれが一番良いとは言い切れない。いずれにしても選択肢が狭いので我慢して使うことになりそうだ。

また、デジカメの場合は、フォーカスをとるタイミングというものを考えると以下の様に分類される。機種によっていろいろとあるので、気にしておいた方がいいかも知れない。

• 常時フォーカスをとり続けるもの（オート）
• シャッターボタン半押し時にフォーカスをとるもの（オート）
• シャッターを押した際にフォーカスをとるもの（オート）
• 手動式につき事前にいちいち設定が必要なもの（マニュアル）
• 固定焦点(バンフォーカス)式で、いちいちフォーカスを気にしなくても良いもの（パン）

シャッター速度

シャッター速度は光がCCDに当たる時間を調節するもの。
シャッター速度が速ければ動きのあるものも静止画に近い形で撮影することが出来る。そういう点では速いモードを持っているに超したことはないのだが、現実的には 1/125 か 1/250 あれば十分であるともいえるだろう。

シャッター

シャッターは上にも書いたとおり、基本的には光がCCDに当たる時間を調節するものだが、アナログカメラと違っている部分がある。

• メカニカルシャッター
• 電子シャッター
• 上記２種類の併用

メカニカルシャッターは、アナログカメラと同様に必要な時にだけシャッターを開いて光を通すもの。
シャッターが開いた際に入ってきた光をデータとして取り込む。瞬間の光の残像を利用しているため、画像が流れる等の可能性は低い。
基本的には液晶モニタタイプのデジカメではこの方法は使えない。通常時にはCCDに光が当たっていないからだ。
液晶モニタが無いものはアナログカメラと同等と考えて良い。
物理的なシャッターのため、速度はあまり速くできない。

電子シャッターは、CCDには常時光を当てているが、シャッターボタンを押した瞬間のデータだけをCCDから取り出す。
こうなると、CCDから取り込まれる光のデータは刻一刻と変化しているわけで、当然ブレや流れが出る確率が高くなる。特に動いている被写体などには弱い。しかし、十分に光が当たっているのでCCDのノイズに悩まされることはない。
が、一番手っ取り早い方法であり、コストもかからない。
速度は電子処理だけのため速くできる。

併用タイプは、上記２者の良い点をとったものである。
シャッターを押した瞬間にシャッターが閉じて、その後必要な時間だけシャッターが開いた際に入ってきた光をデータとして取り込む。これも瞬間の光の残像を利用しているため、画像が流れる等の可能性は低い。また、電子シャッターを併用しているのでシャッター速度も速くできる。

露出

単純には、画像の明るさを決定するもの。
だが実際には、絞りによって被写界深度というフォーカスの合う範囲が変わってくるので、自分の思い通りの画像を得たいならそれなりに気にする必要がある。たとえば、メインの被写体の背景にある建物等を「ぼかす」か「はっきり」させたいなら、絞り優先ＡＥの露出機能を持つものでないとダメである。
そのあたりの「撮影テク」についてあまり興味のない人は気にする必要がないだろう。

絞り優先ＡＥ	自動露出だが、絞りを優先させているので、シャッター速度で露出を決定している。 自分の思ったとおりの被写界深度が得られるが、明るさによっては露出アンダーないしは露出オーバーとなる可能性がある。
プログラムＡＥ	自動露出だが、適正露出を得るためのシャッター速度と絞りの関係があらかじめ決定されているもの。 そのときの撮影条件によって、被写界深度がいろいろと変わる。
ＡＥ	自動露出。主に絞りによって露出を決定している。
手動	自分の手で露出を決定しないといけない。

　

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