Nikon CoolPix 950
経 過
1999/05/23
約1年ぶりの新品デジカメゲットである。ゴールデンウィーク前に入手できなかったのは何とも残念な話ではある。
2メガピクセルモデルである事以上にレスポンスが良いとのうたい文句が非常に心をくすぐるものであったので、速攻で買うことを決意していたが、ご存じの通り発売後の出荷遅れ等で全く手に入らない状況に陥っていた。
従って、発売開始後2ヶ月経過しており、他のHPに先を越された感が非常に強いので、当HPでは「手抜き使用感レポート」を目指すことにする(笑)
最初の5000セットにはパソコン接続キットが同梱されていたようである。非常にもったいないことをした(^_^;)
1999/5/29
外部フラッシュ撮影用にエツミのフラッシュプロテクターと増灯アダプタAS-E900をゲット。
フラッシュプロテクタはそのままでは使えないので少々改造(^_^;)
インプレッション
- ずんぐりむっくり?
以前のCoolPix 900/910に比べると、幅は狭くなっているが厚み(奥行き)が増えている。これは人によってはホールド感につながる部分でもあり、意見の分かれるところであろう。
個人的には950の方が良いのだが、900/910のスマートさも捨てがたい部分ではある。
- 見た目はかっこよくなった
色が黒になり、ワンポイントの赤も入っている。銀塩一眼レフのF5やF100をイメージさせる部分でもあり、パッと見的なイメージは向上していると思う。高級感が増したという感じだろうか。
- ボタンが増えた
以前のメニュー選択だけではなく、新たに用意されたボタンとコマンドダイヤルの組み合わせでいままでに比べて少々容易に設定できるようになった。
- コストダウン?それとも…
CFのフタや電源/ビデオ出力端子のフタがプラスチック(ゴム?)になっている。以前はしっかりしたフタだったのに…。
一瞬、コストダウンのためかとも思ったが、ボディがマグネシウムのためプラスチック等で作るのが現実的にはなくなったと解釈すべきでは無いかと思い始めた。しかし、そのせいで若干安っぽく感じられてしまう部分でもあるのだが…。
使用感
- 動作速度は向上
すべての動作において、CoolPix 900/910より格段に速くなっている。使っていて気持ちいい。逆に言うと、今までが画質優先のために速度を我慢していたのだが、一度950を使い始めると900/910には戻れない。
- 画像の白飛び
900の頃に度々話題に出ていた問題として「ハイライト部の白飛び」が挙げられるが、950では大分改善されているようだ。CCDが変わってダイナミックレンジが変わったのか、それとも画像処理部(測光部等を含む)が改善されたのかは判らないが、とにかく白飛びしにくいということは後々のレタッチ等でも大きく差が出てくる話なので良いことだと思う。
- ボタンが増えた
今までの900/910に比べて、ボタンが3つとダイヤルが1つ増えている。これらは、
露出補正、撮影モード、画質設定
をコマンドダイヤルを使って簡易に設定変更できるように新たに用意されたボタンであり、今までのように「何が何でもメニューからの設定」では無くなった分、オペレーションが容易になった。
ただ、これらは必ず両手操作を必要とするものであり、若干不満の残る要素ではある。これらはやはり専用ロータリースイッチとコマンドダイヤルの組み合わせで利用できるのがベターでは無いかと思うのだが。
まぁ、今の時代、ワンハンドオペレーションを求める方が無理があるとも言えなくもないが…。
- 右手親指の行方
全体的に幅が狭くなった分、液晶モニタがグリップ寄りになってしまった。今までと違って右手親指の居場所が少なくなったのだ。これによって起こる弊害は「液晶モニタの表面に指紋が付く」である。若干でもコンパクト(?)になった分とのトレードオフと考えるしかないのだがなんとも残念だ。
- ボタンのクリック感
以前はボタン類にクリック感が無かったのだが、このモデルではボタンにクリック感が付いた。良い傾向である。
- セレクトダイヤルの配置
今回は、
「PLAY」 - 「REC-M」 - 「REC-A」 - 「OFF」の順で並んでおり、PLAYとRECの間に必ず「OFF」が入っていた前モデルより格段に使い勝手が向上している。また、モード自体の切り替えも速いので今までのような、撮影後のプレビュー画像表示後の画像確認の際にもストレス無く対応できる。今までがひどすぎたのだろうか?
モードの切り替えが速いと言うことは、気兼ねなく電源OFFすることも出来るようになるので、結果的にはバッテリーの持ち時間にも多大な影響を与えるものと思われる。
- 液晶モニタが暗い
液晶モニタは低温ポリシリコン型TFT液晶であるが、900/910が2インチの11万画素であったのに対し、今回は2インチの13万画素であり、より緻密な画像確認が可能となった。しかし、900/910よりもさらに全体的に暗くなっており、晴天時の屋外撮影ではほとんど見えない。これは誰もが口をそろえて言っている部分であり、なんとか改善をして欲しいものだ。
- レンズ部のネジ径
900/910と同じく28mmなので、今までのオプションレンズ類も流用できる。
- オートパワーオフ
これは実質的には910の頃から改善されているが、撮影時と再生時のオートパワーオフ時間は、30秒/1分/5分/30分となっている。900の頃から比べると随分扱いやすくなってる。しかし、なんで5分からいきなり30分まで飛ぶの? 少なくとも 10分と15分ぐらいはあっても良かったと思うのだが。
- 首が少々太くなった
CoolPixシリーズを見て誰しもが思う点として、「首(回転部)が折れないかどうか」というものがある。確かに不安材料でもあるし、実際に落として首を折った人もいる。ところが、950になって少々首が太くなっているようだ。やはり機械的不安を少しでも払拭しようと言うのが狙いだろう。見ていても今までに比べて安心感がある。
本体の厚みが増した事による2次的恩恵か、首を太くするために本体に厚みを持たせたのかは定かでは無いが、結果オーライだろう。
- ソフトケースが良くなってる
900の時のソフトケースは最悪の一品であったが、今回ののはよりコンパクトカメラ風になっている。ちゃんとベルト通しもあるし、ある程度の品質も確保しているようだ。やはりちょっとは気を使ったのかな?
- 連番モードの番号が変
CFカードを変えても画像には通しの連番が付く機能なのだが、どうも変なところでリセットされてしまいDSCN0001.JPGから再開されてしまうことがあるようだ。
状況的には、メニュー内の連番モードの設定にチェックが入った状態であっても効いていないのだ。その設定の上から再度連番モードONとして設定すると、今度は連番モードになっていた。なんか状況がよく分からない。これはバグかも知れない。
どういうときにどのような結果となるかを追々調べて行く予定だ。
(1999/06/18追加)
どうやらクセが判ってきた。
ファイルをカードリーダで転送して空っぽ状態(フォルダは残っていても消してしまっても関係ないようだ)にしたとき、そのカードでの最初の撮影がA-RECの場合にDSCN0001.jpgになってしまうようだ。M-RECの場合はちゃんと通しの連番になっている。
後退的な対策としては、というものが考えられる。
- ファイル消去(移動)後の最初の撮影は必ずM-RECで行う
- 一番最後の番号のファイルをCF上に残しておく
しかし、これは明らかにA-REC時の連番関係のバグではないかと思うので問い合わせて見るつもりである。
- マクロ時のAFのクセ
マクロはズームの中間位置で2cmまで寄れるものとなっているが、いきなりその距離に近づいてもAFが反応できず画像がぼやけたままになる。対策としては、若干離れた位置から少しずつ接近していくと2cmあたりでもAFが効くようになる。
しかし、仮にもAFで、マクロモードまで備えているのにこんな小技を使用しないといけないのはなんか変だと感じないだろうか?是非とも改善を望みたい。
(1999/06/05追加)
マクロモードの撮影距離範囲が 2cm〜∞らしい。
だったら、マクロモードなんか作らずに標準で対応させたらいいのにね。
単に2cmまで寄れる事を示す「花のマークを黄色にする」というためだけなら他の方法もあるはず。
(1999/06/18追加)
最近発表された一眼レフデジカメの「D1」には「至近優先ダイナミックAF機能」というのがあるらしいことが判った。
これこれ、これである。是非ともこの機能をマクロモードに付けて欲しかった。これが付いていたならばマクロモードの存在意義もあろうというものだ。
- 感度の問題
CoolPix 900/910の時から薄暗いところ、暗いところに弱いのだがこのモデルでは少々は改善されている。ISO64相当の感度からISO80相当になっており、かつ、ISO100/160/320相当に感度アップ出来るのだ。やはりこのぐらいはあって当然の機能だとは思う。難を言うなら、Autoモード時にも自動的に増感してくれるとベターである。
Nikonとしては自動で増感して画質を落とすよりも標準感度の方が良いと考えているのかも知れないが、少なくともユーザーに選択肢を残す意味でAutoモード時の自動増感をするかしないかの設定、ないしは自動増感の上限の設定ぐらい出来るようにして欲しかった。でないと、本当の意味でのAutoでは無いような気がする。
- Auto撮影モード(A-REC)は万能?
A-RECモードでの設定項目は非常に少なく、ほとんどがお任せになる。しかし、このA-RECモードも良くできているのか、大体撮影に失敗することはない。しかし、もう少し融通が利くようにして欲しかったというのも率直な意見だ。上記の感度の問題もあるし、少しぐらいは設定(フラッシュモード等)を電源OFF後も記憶して欲しかった。
- カスタム設定
950ではManual撮影モード(M-REC)で3つのカスタム設定を持っている。これによって、をそれぞれのカスタム設定として記憶できるのだ。呼び出しはカスタムNo.の呼び出しのみである。
- 測光モード
- ホワイトバランス
- 撮影方式(単写/連写)
- 階調補正
- ベストショットセレクタ
- 電子ズーム
- コンバータモード
- ホワイトバランスロック
- AEロック
しかし、そのカスタム設定の呼び出しはメニュー画面からしか出来ない。これはボタンとコマンドダイヤルの組み合わせ、ないしはカスタム設定呼び出し専用ボタン(またはダイヤル)で呼び出せるようにして欲しいところだ。でないと折角の機能なのに十分に使うことが出来ない。理由は至って簡単で、撮影モード変更のためにごそごそしていたらシャッターチャンスを逃すかも知れないからである。
また、設定数も3つと言わず、最低でも8〜10個は欲しいところだ。撮影のシチュエーションごとにカスタム設定を持ちたいとした場合に3つでは到底足りない。
それから、上記の設定できる各モードには、やはり露出モード(P-AE、シャッター優先、絞り優先)を是非とも加えて欲しいところではないだろうか。
複数のカスタム設定を持つことは、設定のメニュー化による扱いの煩雑さやめんどくささを回避する上で非常に重要なものと位置づけられると思っている。
- ホワイトバランス (1999/06/05追加)
ホワイトバランスは、から選べるようになっている。(M-REC時)
- AUTO
- プリセット
- 太陽光
- 電球
- 蛍光灯
- 曇天
- スピードライト
通常はAUTOで十分だが、光の色合いを重要視する場合はそのシチュエーションに応じた照明を選択すると良い。
またプリセットにより、事前にその照明下での白部分を撮影してホワイトバランスを調整させるものなのだが、これが実に設定しづらい。
というのも、被写体の白の部分を予め撮影する際、ホワイトバランス測定窓に白部分を映してやるのだが、その窓が実に小さくて自分が今どこを撮影しようとしているのか判らなくなることが多々ある。そんな小さい窓をわざわざ使わなくとも大きく映して設定枠を表示する方がよっぽどスマートだ。
また、これはバグかも知れないのだが、そのホワイトバランス測定窓を表示している際にAFが一切効かなくなる現象がある。効く場合もあるのだが、ほとんどのケースとして効かない。「前回の設定」を選択した状態ではAFはOFFされていても何ら問題はない(というか、消費電力の関係でそうすべきだろう)のだが、「設定」にカーソルを移動している際は効いて当然のはずである。
これに関してはNikonに問い合わせて見るつもりである。
- 連写モード (1999/06/05追加)
連写モードの中に「高速連写」というものがある。他の連写モードでは、フルサイズ画像(1600x1200)やXGA画像(1024x768)時で画質モードがNormalモード時に1.5コマ/秒なのだが、高速連写モードではVGA画像(640x480)時で画質モードがNormalモード時に1.5コマ/秒である。へ!?高速になってないやんけ!!
単にVGAなので大量に連続撮影が出来るというだけで全く高速になってない。もしかすると単にマニュアルの表記ミスだけかも知れないので、後日実験してみることにしよう。
計測無しで実験してみると2コマ/秒程度の感じなのだが…。
- 記録中の画像のキャンセルと表示延長 (1999/06/05追加)
便利な機能としては、他メーカーでもある記録中の画像のキャンセルと表示延長がある。撮影後の画像を見て即座にいらないと判断された画像の記録キャンセルや、撮影後の画像をじっくりと観察したい場合などに効果があるが、なぜかフルサイズ画像(1600x1200)にしか適用されない。なんで?
まさか他のモードでは必要ないと判断したんでしょうか?
- 絞りは3段階 (1999/06/05追加)
物理的な絞りは実は3段階しかない。露出モードが絞り優先であっても同様である。現実的には3段階程度しか実用的でなかったのだろうか?
- フラッシュの充電 (1999/06/18追加)
900の頃から気になっていたのだが、フラッシュを使用した撮影時後において、次の撮影が明らかにフラッシュを必要としない被写体であってもフラッシュ充電中を示す赤ランプ(光学ファインダ部分)の点滅で撮影できない。
次の被写体もフラッシュを必要とするならばいざ知らず、必要としていないのに充電のために撮影できないのは納得できない。どうにか改善して欲しいものだ。
次の撮影がフラッシュが必要な場合もあるので、撮影後即座に充電を開始することは十分理解できるのではあるが次のような動作をしてくれればベストだろうと思う。こうすれば余計なイライラがなくて済むと思うのだが…。そう難しい事じゃないでしょ!?
- 次の撮影でフラッシュが必要ならばフラッシュ充電中のランプで知らせる。
- 次の撮影でフラッシュが必要ないのであれば充電は一時中断し、そのままシャッターを切れるようにする。撮影完了後充電再開する。
- 三脚ネジ穴 (1999/06/18追加)
三脚のネジ穴が変なところにある。
本体部の中央よりもレンズ寄りで、ボディ前面ギリギリのところにある。こんなところに付けられても使い勝手が悪いだけだ。
三脚のネジ部には滑り止めのためにゴムかコルクの薄い板がくっついているのだが、しっかり締めようとするとこのコルクやゴムがつぶれてしまうので、三脚ネジ穴が偏ったところにあるCoolPix 950の場合はカメラが傾いて固定されてしまうのだ。自由雲台とかだったらまだ救いようがあるが、ビデオ用などを流用しようとすると厄介な話になる。
せめて900/910ぐらいの位置関係にはして欲しかった。
雑感
耳寄り情報
2.5mmプラグ側 | RS232Cコネクタ側 D-Sub 9pin メス | |
先端部 | RXD | 2pin |
中間部 | SG | 5pin |
ベース部 | TXD | 3pin |
3.5mmプラグ側 | RS232Cコネクタ側 D-Sub 9pin メス | |
先端部 | RXD | 2pin |
中間部 | TXD | 3pin |
ベース部 | SG | 5pin |
EPSON FlashPacker Mini シリーズ | − | 15MBは確認済み |
I/O DATA CompactFlash シリーズ | − | 30MBは確認済み |
Hagiwara Kシリーズ、Xシリーズ | − | 以前48MBで確認済みと書いたが、最近webで確認するとこの両シリーズは対応していないことになっている。どうも不具合が発生する可能性があるらしい。現時点では不具合に遭遇していないが、今後のことについては判らないので少々不安である。webの情報を見て買った人がいたらハギワラに相談してみるのも良いかも知れない。 |
Hagiwara Mシリーズ | − | 問題なし(webからの情報) |
SanDisk | − | 問題なし(webからの情報) |
デジタルフォトライブラリ
に行く
お問い合わせ、文句等は、 masterあっとyshouse.com
までどうぞ。
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Initial Edition | 99/05/27 02:15 |